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KTM製ダイヤモンドC62改修再開(3)先台車復元バネ

 カツミ製ダイヤモンドシリーズC62のレストア再開その3。
 Nゲージ車をいくら分解清掃しても学べない構造に、16番車両に固有の緩衝機構や復元機構があります。カンタンな例では電車のボギー台車枠がボルスターで1点ネジ止めされててイコライジングするとか、知らないと何でこんなメンドウをするのか分からない。上下方向の動きをバネで緩衝するような概念は最近のN車で多少出てきましたが、(KATO電車の台車-車両間の集電板バネは早期からその発想を持っていたのでは)ヨー方向というか左右旋回方向に対して車両を直進に戻そうとする復元機構は、ワタシはN車ではまだ見た事がありません。
 今回のレストアで直面した問題、600Rカーブで2番目の先輪が外側に振れてバルブギヤに当たりショートする件について悩みながら、ワタクシのバイブル、赤い表紙の「たのしい鉄道模型」をめくっていると、赤井哲朗氏の「やさしく4-4-0をつくる」が目に留まりました。やさしくと言えど現在の目から見れば全くのフルスクラッチ、「台枠には10mm幅の真鍮帯材を活用して…」とか書いてあっても、今ではエコーモデルでも品切れだったり。それでも原始的な昔の製作記事のほうが、参考になる事は多い。
 と2軸先台車のところにさしかかると、心皿辺りに謎の線バネを見つけたのです。これまで全く気にしていなかったのですが、ムムッとよく考え、これが蒸機のボギー先台車での復元機構だとようやく気づきました。鮮鉄ジハの3点支持以来の再発見ですね。
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 今回のC62、前オーナーがダイヤモンドシリーズのプラ製車輪を嫌って、金属車輪にすると同時に先台車を0.3mm真鍮板で自作しているのですが、復元バネは付けていない。この問題に際してボイラーを外してカーブでの挙動をよく観察すると、左右動フリーの先台車が左右に振れ過ぎる。車輪と線路間のガタや、動輪軸自体の左右のガタ(これが無かったら全くカーブは通らないョ)のために車体はヨー方向にかなり首を振るのですが、外側に振れた状態では先台車がグリッと内側へ追いやられてバルブ機構に接触してしまう。この動きを多少でも規制できれば…先台車が動輪列をカーブの内側へ向けられれば(先台車にも横圧はかかるが)、先台車と車体の成す角度が小さくなって、ショートを避けられるかもしれない。
 実は同じ本のEF57の記事にも復元機構への言及があって、なかお・ゆたか氏が「これが無いと絶対ショートする」とまで書いていた。ふりかえれば以前調整したKTM製D51も、1軸先台車を引っ張るコイルバネが付いていましたね。
 アレコレ悩む前にやってみよう、薄っぺらい先台車は幸いタップを立てるのも簡単。1.4mmビス3本でU字に曲げた0.4mmφ真鍮線を付けてみると、確かに挙動が変化してショートしにくくなった。内輪が浮き上がりバネ力が強すぎると分かったので、バネの先端ハンダ固定だけにしてストロークを大きく、柔らかくすると…エンドウの16本組線路2本での試走ではショートは起こらなくなりましたバンザ~イ。
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 先台車への補重はのちほどとして後はテンダーとの接続、プラ板製のドローバーを新製、接触バネとして0.5mmリン銅線をモーター+極に繋いで、ロコとの絶縁を維持しつつテンダー車体に来ている電流を直にモーターへ導きます。これでひとまず完成、緩いカーブなら爆走可能。しかし600Rでは…次回に続く。

by kamidensha-oomura | 2021-09-16 12:20 | 16番(HO)車両・線路の修理・改造

ペーパー製などの鉄道模型を作って楽しむブログです。


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