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遠藤さんのA4修理リターンズ

 フジレールクラブの遠藤たいせいサンから、以前引き受けたN車の再修理依頼、バックマン製のイギリスA4機関車。速度記録のマラード号と同型、シルバーフォックスと車体エンブレムには書いてある。
 前回分解清掃、ブラシを再調整したが走りはイマイチ。いったん納車したものの、集電不良らしい起動不能が時々起きる事から、テンダーを改造、集電ブラシを追設して給電を安定させる事となりました。5月27日『富士のふもとの大博覧会』も近いし、それまでにと土曜日早朝から大手術。

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 前にも書いた、下回りフレームに作り込まれたスゴイモーターが1枚目の写真。小さな3極ローターに片側マグネット、これが案外よく回りパワーも出る。音が少々怪しかったが油切れだったらしく、ウォームにコンタクトグリース、軸受にユニクリーンオイルをセットドライバー先端にチョッとつけて給油脂したら静かになった。小生意気にもノイズキラーコンデンサが付いてるが、欧州の基準に適合させるためでしょう。
 テンダー集電、片側絶縁なら楽だが、あいにく輪心プラの両絶車輪、仕方なく車輪両側面にブラシを当てることに。おとっときの0.05mm厚リンセイ銅板を使う。
 テンダーを改めてよく調べる。軸受を設けた下側フレームがダイカスト一体成型、その上に理由がよく分からない黒いプラ板状のパーツ。機関車側をバラした経験から、コレもしかしてテンダー集電の準備工事だったのでは? と邪推。ならばこのプラ板を絶縁にして、機関車と同様に集電ブラシを重ねて設置すれば良い。位置は丸い凹凸を利用して固定できるし、でブラシを作っているのが2枚目の写真。ブラシを当てる向きは当初タテにする積りだったけど、機関車側も横向きだったし、ストロークを最大限取って圧力を弱く、調整容易にしないと非動力車輪の回転が重くなり、引きずる懸念がある。
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 L字に折ってから、ベニヤ板の角に当てながら幅1mm強のブラシをカッターで切り出す。0.05mm厚だからカッターで楽に切れる、いつもの0.1mm厚でも切れる事は切れるケドこうはいかない。但しカエリでブラシが引っかかって閉じ放しになる時があり、ダイヤモンドヤスリで仕上げたり、ブラシ長さを金切り挟みで詰めたりしました。
 またドリルでの穴開けも大変で、すぐに破れて穴位置がズレる。正確にやったつもりでも1mm近くズレてしまうので閉口。セロテープを全面に貼って穴あけするのが良く、ドリル径も1mmφから細かく刻んで広げる。カエリは普通のヤスリでも取れるけど、位置の微調整は100均のダイヤモンドヤスリで。普通のヤスリでは刃がひっかかって、ブラシがひん曲がって壊れる。(汗)
 3時間ほどかけてブラシを製作。テンダーのフレームは機関車と金属ドローバーでつながり、機関車の車体・フレームもプラス側で導電している事が分かり、マイナス側のみ極細リード線で機関車に接続。幸いモーター前端に車体との絶縁端子があり、そのネジにこの配線もからげてok。
 第3動輪に当たる集電ブラシが内側へ浮く傾向があり、再分解が必要かと思いましたが、従台車を外す時にネジを緩めたら勝手にズレて直った。ので寝た子を起こさぬよう、静か~に締めました。(笑)
 集電の改善と運転時の姿勢安定を狙って、テンダーにも補重。内部に金魚の水草鉛巻きの鉛板を2層に両面テープ貼り、板には位置決め用・配線用の穴を開ける。テンダー車体は給炭口の辺りに四角い大穴があり、配線を通すのは造作ない。…機関車側も車体はダイカスト一体成型なのに、キャブだけ別部品にしてある。たぶん開発段階ではテンダーモーターとか設計変更に備えていたか、あるいは変更の痕跡かも。
 苦労して仕上げ、起動確認後に土曜日夜は寝る。日曜朝、本棚裏のレイアウトを引っ張り出して試運転。すると、前回に接触不良を起こした辺りで、何と動輪が浮き上がって空転する。(汗)当鉄道の外廻り線はトミーの線路で、内廻りのKATOの道床なしレール・ポイントと高さを合わせるため、渡り線辺りが谷間になっているのですが、その凹凸を従台車などが吸収できずに動輪が浮いてしまうらしい。以前はテンダー集電してなかったので、動輪が浮いて接触不良になったようです。従台車を止めるプラ板を削って上下動のガタを作り、概ね改善したので良し。
 しかしその先のR280ポイントで先台車がやたらと脱線する。先端の板バネの調整がいささか繊細、荷重が強くても弱くても脱線する。レーシングカーのセッティングの様な状態でしたがどうにか条件出しに成功。
 旧客を7両ほど連結、空転のケはありますがスローでも充分牽き出せるので、これで良しとしました。たぶん集電不良とはこれで当分おサラバできるのでは。A4らしく快調に走る事を念じつつ、週末の「富士のふもと博」で遠藤さんに再納車の予定です。

by kamidensha-oomura | 2022-05-23 12:42 | Nゲージ車輛の分解・修理

ペーパー製などの鉄道模型を作って楽しむブログです。


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